サンチャウンにあるマンションの一室の購入プロセスを進めている。
ミャンマーでは外国人は不動産を購入できないのだが、ミャンマー人名義であればもちろん購入が可能だ。
不動産購入に際しては、ローンの仕組みがほぼ整っていない状況なので、現金決済となるため、日本と異なり購入のハードルがなかなか高い。
また、仲介業者の制度が整っていないため、物件を紹介する人はそこらへんに住んでいるおばちゃんだったりする。
そのおばちゃんは売り主から販売価格の数パーセントをもらうが、取引には全く関知しない。
売主・買主ともに弁護士を立て購入のプロセスを進めることとなる。
日本の場合は不動産業者が交渉の間に立ってくれるので、細かな点や言いづらい点をうまく取りまとめてくれる。
そして、経験のある営業マンであれば、売主との交渉の材料集めも手伝ってくれることもある。
しかしミャンマーでは、ダイレクトに売主と交渉することとなるため、内見の際から交渉材料をしっかりと想定しておかないと、後出しでの条件提示することとなり、不利な方向に進んでしまう。
今回の場合は、現状設置されているエアコンを残すかどうかで、後から話をしたところ数万円で販売なら可能との回答であり、売買価格交渉の段階から入れ込める要素があったのだろうと反省している。
そして、契約までのプロセスが非常にながい。
計三回の契約書のやり取りがある。
頭金支払い時、残金①支払い時、残金②の支払い時だ。
三回の意味合いとしては、以下となっている。
◆頭金支払い時:売買価格の10%
頭金支払い後に、国が発行している新聞に、売買契約が進行している旨の記事を出す。
記事発行から7日間で誰も、異を唱えなければ、それ以降は本契約に際して申し立てができないという決まりがある。
◆残金①支払い時:売買価格の40%
部屋の明け渡しまでにワンクッション支払いタイミングが入る。
◆残金②支払い時:売買価格の50%
本支払いタイミングでは、売主は残置物の撤去が終わっている状態で、鍵を引き渡すこととなる。
そして、最後の50%を最終的な金額をお支払する。
合計一ヶ月超の長期戦となる。
素性のしれない双方が大金を手渡しするので、引き渡しまで段階的に金銭の授受と契約で固めて行く。
確かに買主の立場からすると、全額現金で支払った後に、残置物の撤去等を売主がやるとなると、しっかりとやらないリスクや、そもそも、引き渡しがされないのではないかという漠然とした不安感がつきまとうだろう。
上記プロセスは毎回売主・弁護士(双方)との日程調整を自前で行い、毎回契約書を締結する。
日本の仲介業者が存在する必要性を非常に感じる瞬間だ。
頭金を入れた後は、日本と同じルールで、契約解除の場合は売主は頭金の倍返し、買主は頭金を売主へ渡すこととなる。
まだ、契約の道半ばなので、最後まで気を抜かずにしっかりと進んでいきたいと思っている。
そして、不動産を購入するというプロセスは日本でもタフなものだが、ミャンマーではかなりのタフさを感じる。簡単にことが運ぶものではないと実感している。