読書:成功者K(羽田圭介) 芥川賞作家の本から日本人の感情表現を感じたいと思ったら、性的な描写が多すぎてどう受け止めたら良いか困惑したという話

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芥川賞を又吉さんの『火花』と同タイミングで受賞した羽田圭介さんの芥川賞受賞の次に出した本を読んだ。

 

ミャンマーに来てから、無性に小説を読みたいという衝動にかられることがある。

 

 

日常生活はミャンマー語と英語であふれており、日本語で人の感情の表現を感じ、日本の感覚を味わいたいんだろう。

羽田圭介さんは年齢は私の一つうえで、高校時代の作品で文藝賞を受賞しているということだ。

すげー!!

 

年齢の近い芥川賞作家の作品から日本人の感情表現や、若い才能を実感できたらいいなと思い本を開いた。

 

内容はおそらく実体験に基づいた話しで、芥川賞受賞後『成功者』として急変した人間関係・仕事模様がかなり細部の感覚に渡って記載されていた。

 

著者の表現は体感覚に関連する表現が多く、その様々な感じ方への表現はまさにミャンマーで本を読む動機にぴったりなはずであった。

 

のだが、、

 

私の感覚では本の3割は『成功者』となった著者の『性交者』としての性的な描写に費やされており、

年齢の近い『成功者』の話しを読むのは、それはそれで面白いのだが、年齢の近い『性交者』の話をそこまで欲しているわけではなく、

ミャンマーの暑さを感じながらタブレット内で繰り広げられる『性交者』の描写から困惑を感じながら本を進めた。

 

読書中の私は、本のパワーと、困惑で、かなり特異な雰囲気を放っていたんじゃないかと思っている。

 

今後、日本語の特に体感覚の表現を欲することがあったら、羽田圭介さんの本を読もうと思うのだが、

今回の『成功者』でかなり食傷気味になっており、当分は私の体感覚が欲することはないんだろう。

 

こういうぶっ飛んだ本を含め、様々な著者の様々な感覚・人生をミャンマーの少し時間のあるタイミングで、読書を進めていきたいなーと思っている。

 

【私に引っかかった文章】

◆高架の自動車道とビルの間からふりそそぐ日差しが強く、キャップとマスクのKは暑苦しさを感じていた。

◆この美人は、この紫色の便箋。
◆ノック音に、Kの身体が自動的に反応した。

◆周りのスタッフたちが瞬く間に緊張した様子を見て、Kにもその緊張感は伝わった。他人が緊張すると自分も容易に緊張するのだと、Kは実感した。

◆あの頃のことをKは遠い過去のように感じるが、つい半年前のことだ。

◆余裕をもってトークの準備をできたりするほどの暇人のもとには、そういうオファーはこない。実力はなくても旬で忙しい人のもとにのみ、かつて憧れていたような仕事のオファーがいっぺんに舞い込むのだ。

◆握手をした後、せがまれてツーショット写真を撮るため横並びした際、己の左腕や肩に触れた肉の感触が残っている。
◆限られた時間ですべての仕事依頼に意思決定をくだし返事をだすために、大きな声と態度で強気に押しとおすのは、その人の人間性というより、物理的な理由に起因するものなのだ。

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