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ミャンマーに来てから読む本の著者No.1はちきりんさんである。
匿名のブロガーのちきりんさんのブログは、私は社会人になりたての頃から時たま見ていて、その頃から本を続々と出していた。
マッキンゼー出身で今はブログ等の収入で生計を立てているのかな。
著者は一般的に良しとされるものに対して、本当にそれが正しいのかという問いを非常に明確にロジカルに提示してくれる。
今回の本では日本の雇用慣習である『終身雇用』に代わる働き方を、提示している。
私は父母・祖父母共に公務員の家庭に育っており、まさに『終身雇用』が正であった時代の人の教育下で育った。
そして、それが正解なのか就活のときから非常に悩んだ記憶がある。
それは、終身雇用と付随する、市場性のなさにずっと疑問を持っていたことからの悩みでもあった。
特に私が実感したのが、私が通っていた公立高校の先生の授業のつまらなさと、予備校の先生の授業の魅力の差異である。
(もちろん高校の先生の中にも涙が出るくらい尊敬する人もいた。)
公立高校の先生は終身雇用で、授業をこなせば給料が入ってくる。きっと一般的な水準より当時は高かったんじゃないだろうか。
一方で予備校の先生は、だめなら首になるというリスクと共に授業をしている。そして、私が視聴したのは、その市場原理をくぐり抜けた先生の授業であった。
市場原理を持ち込まず、均一な水準で地域差なく授業をするという考えもわかるのだが、大学受験と一体の時間を過ごす高校生からしたら、魅力ない授業をされたらたまったものではない。
市場性のなさから、魅力ないことを提供することを避けたいという思いが強く、就活のときは、市場原理が働いている業界・規模の会社で働きたいと思い、実際に働いた。
働いてみると、市場原理が強すぎて、心の病になる人を何名も見てきて、私も何度も押しつぶされそうになった経験から、一概に市場原理が強い環境が良いとは言えないと結果的には思っているが、
市場原理が強い業界で働くことができれば、その後お金を稼ぐことの選択肢も持ちやすいという読みは、確実だろうと思っている。
ミャンマーでは、市場に選ばれて仕事をしている人に多く出会う。
だめならマーケットから退場するだけだという、覚悟を感じることもある。
そんな中、この本がこれからの働き方について非常に示唆に富んでいる。
一方通行の終身雇用ではなく、そもそも自分がどう働きたいのかから思考をスタートする。
自分がしたい働き方を考えて、実現していくということだ。
ただ、どれだけの人が、自分で働き方を考えて、それを実現できるのだろうか。
終身雇用の一本道を迷いなく全力で駆け抜けるほうが力が発揮するんじゃないかと思うこともある。
きっと自分で働き方を決めるということは自己責任であり、自分で決める道を全力で駆け抜けないと、大変なことになるよと著者は行っているんじゃないかと思っている。
これは恐くもあり、楽しくもある世界だ。
考えることをやめたらあっという間に奈落の底に落ちる感じだ。
まぁそんな環境じゃないと考えることも考えないからいいかな!
私は脳みそをぐるぐる全速力で回しながら、金色のパコダ(仏塔)を見て、日本とミャンマーを感じながら進んでいくしかない。
【私に引っかかった言葉】
・妻の転勤に夫がついていくこともあります。「妻が香港ですごくいい仕事をオファーされたんだ。だから自分も退職してついていくことにした。ボクが現地で仕事を見つけるまでは、子育てを担当するつもり」などと言うカップルに、外資系企業では普通に出会います。彼らは順番にキャリアチャンスを譲り合い、支え合っているのです。
・最近は、かなり明確になってきました。既に多くの人が気づいているように、ITの進化は、これまで圧倒的な力をもっていた国や大企業などの大きな組織から、今まではそれらに従属するしかなかった個人や、個人が集まっただけのネットワークへ、パワーシフトを起こしています。
・大組織に一生囲われて生きる「安泰だけれど 40年以上中断できないキャリア」と、「5年働いて数カ月休む」、「 10年働いて2年間留学する」、「3年働いて、半年は専業主夫」といった自由度がある間欠泉的キャリア。もしどちらでも好きな方を選べるとしたら、みなさんはどちらの働き方を選びたいですか?
・そして、「そんな働き方をしていて、将来はどうするんだ?」という不安げな大人たちを尻目に、市場が成長し続ける分野、需要に供給が追いつかない分野を選び、自由度と柔軟性を確保して、「働く」と「働かない」を繰り返す働き方を選んでいるのです。
・給与が安いのは、経験を積むための場数代や、語学力を伸ばすための投資分が引かれているのだと考えれば、高額な授業料を払って欧米のビジネススクールに行くより、よほどコストパフォーマンスがいいとさえ言えるでしょう。
・そんな中、私が提案したいのは、最初から「職業人生は二回ある」という発想をすることです。「みんな、一生の間にふたつの異なる働き方を選べるものだと考えようよ!」という勧めです。
・終身雇用というのは罪深いシステムです。いったんその企業の構成員となれば、あとは何も考えなくてもひたすらに続くエスカレーター(か歩く歩道)の上を黙々と進んでいけるからです。あのシステムが人から、自分はどんな人生を送りたいのか、何をやりたいのかと自問自答する機会を奪ってしまっています。
・職業人生の再設計に向けて、まずは、自分はどこに誰と住んで、何時に起きて、どんなことをして毎日を過ごしたいのか、具体的に考えましょう。
・自分設計のオリジナル人生を実現するために必要な最後のステップは、市場で稼ぐ力を身につけることです。そしてそのためには、なるべく市場に近いところで働くことが重要です。
・「市場」という言葉をむやみに怖がらず、できるだけ積極的に、市場で稼ぐ経験を積みましょう。そこで身につけた感覚とスキルこそが、新しい時代にあなたが自分の人生を選ぶための、大きな力となってくれるのです。