ビルマの竪琴 著者の竹山道雄さんはビルマを訪れていないにもかかわらず、ここまでビルマ人を描写している凄さを感じる

毎日少しずつ読み進めていたビルマの竪琴を読了した。

あとがきを読んでいると著者の竹山道雄さんはビルマに訪れたことがなく、想像を中心に、文献・伝聞で執筆したとのことであった。

 

著者は1946年夏から執筆を始めたとのことで、終戦直後の当時各国から生き延び、引き上げてきた仲間を見て、話を聞いて、書きたい気持ちを強く持ち、ビルマへの想像を膨らませたんだろう。

 

実際にビルマ訪れたことのない著者ではあるが、ビルマ人の性質については、今でも非常に納得感のある描写になっている。

 

本質をつかむからこその、70年以上読み続けられる本なんだろう。

 

読後、まだ行けていないヤンゴンにある日本人墓地に伺い、日本人の先輩方にしっかりとお参りをしようと思っている。

【ビルマ人の性質を感じた言葉】

◆どこに行っても、ビルマ人は楽しげです。生きるのも、死ぬのも、いつもにこにことしています。この世のことも、あの世のことも、めんどうなことはいっさい仏様におまかせして、寡欲に、淡白に、耕して、うたって、おどって、その日をすごしています。

◆ビルマは平和な国です。弱く貧しいけれども、ここにあるのは、花と、音楽と、あきらめと、日光と、仏様と、微笑と・・・・・。

◆さらに私は見るごとに、いつもおどろきます。このビルマの国の人はたしかに怠惰であり、遊び過ぎで、なげやりではありますけども、みな快活で謙譲で幸福です。いつもにこにこ笑っています。かれらは欲がなくて、心がしずかです。私はこの国の人々のあいだに生きているうちに、しだいにこういうことが人間として非常に大切なことではないか、と思うようになりました。

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