ミャンマーでは各社のヤンゴン支店の社長クラスの方と会食する機会が多い。
その人たちは私より歳が一回り、二回り離れている。
多くは新卒から20年以上一つの会社で勤め、ミャンマーへ赴任となった人だ。
そして、ミャンマーの支店長にアサインされる人は各社のトップクラスの方だ。
市場をこれから作っていく国で、
市場を開拓でき、且つ、オペレーション部分まで抜かりなく対応できる人がアサインされている。
そういった人たちは日本にいた際に、複数部署を回り、
社内・社外に太い関係性を作っている。
そして、人間的にも素敵だと思う人しかいない。
組織の中で上に上がっている人は、人間的な魅力を感じる。
それは、哲学的な知見だったり、
その哲学を信念として実行していることであったり、
人間として対等な目線でものを見ることであったり、
そしてユーモアがることであったり、
壊す要素と整える要素の両方を兼ね備えていたり、
高い目標を見ながら、些細な問題まで目を光らせることだったりする。
昨今、日本の年功序列的な働き方を否定する論調を目にすることが多いが、
年功序列の中で、しっかりと組織の階段を上っている人は、
その過程で業務のスキルはもちろん、人間的な部分も洗練されている。
こんな魅力的な人がいるのであれば、
年功序列的な働き方の日本のサラリーマンってかっこいい働き方だと思える。
会社の強さは、組織の階段を上ったかっこいい人がどれだけいるのかということだ。
かっこいいと思う人がいなければ、転職市場が整備された昨今で、若者が一つの階段を上っていく必然性はない。
私は、転職をしてミャンマーへ来ているので、彼らのような階段を上る生き方を降りた人間だ。
そして、組織を考えるよりも個人のことを考える傾向が強い人間だ。
思考の方向性が全く異なっていたが、
ミャンマーで彼らの話を聞く機会が増えるにつれ、日本的な組織の中で生きていく意義や、強い組織を作っていく意義というものが理解できるようになった。
こういったことが、ミャンマーで理解できるようになるとは思わなかったなぁ。